【推し】交通系YouTuberの新潮流? 『小松交通』

鉄道に乗るのが好きです。


とはいえこれもお金と時間がいくらでもかけられる趣味で、

少し長めの休みの時にエイヤと乗り鉄旅に出たりはするものの

そう毎週出かけられるわけでもありません。


それゆえにYouTubeには非常にお世話になっています。

様々な鉄オタの方々が顔を出したり出さなかったりしながら

各地を飛び回ってくださるおかげでいくらでも見ていられる状況。


でも、やはりテーマ選びや、語り口、編集の好みはあります。

それも「今日はハイなやつ」とか「静かに車窓が見たい……」とか

日によって変わることも。


そんな中、新しい動画が上がると必ず見てしまうチャンネルがあります。

『小松交通』、この夏スタートしたばかりの新しいチャンネルです。

(というわけで『小松交通』さん推し記事ですが宣伝費とかは一切もらってないので念の為)


小松交通とは

www.youtube.com


2023年6月スタートのチャンネル。

中の人は現役会社員。小松さんではないそう。


月に2、3本のペースでアップロードされています。

ここが推せる

語りが穏やか

交通系YouTuberさんたちの中でも、

全編豆知識含めてぎっしり語り通し系、

ダジャレを挟みつつ快活にナレーション系、

フレッシュな感動もあらわなリポーター系、などなど

多様な語り口のスタイル、そして声質があります。

(上の説明で誰を思い浮かべました?)


小松交通さんの語り口は例えるなら

日曜の午前中、まだちょっとぼんやりしている時間帯の

ゆっくりとした旅番組のナレーション。


情報は織り交ぜつつ、目と耳が疲れすぎない間を確保。

大仰な驚きは避けた構成、

声も金管というより木管の穏やかさで

時間帯を問わず見られます。


最新の仮想通勤シリーズで同じく交通系YouTuberの

綿貫渉さんのファンだとおっしゃっていましたが

なるほど納得でした。


撮影と同時に語りおろしというスタイルや

(現在のところ)テーマ選びの違いはありますが、

確かに似た空気を感じます(綿貫さんも温かみのある声をされていますね)。


軽やかなテロップ芸

「よし! おもろいこと言うたんで!」

という満を辞した気合いは往々にして滑りがちです。

(滑るのもまた芸なので仕方ないなあと楽しくなりはします)


対照的に、日常にするっと差し込まれる、

元ネタを知っている人に対する共通言語としての

共感を誘う笑いを小松交通さんは程よく挟んできます。

仮に滑っても傷が深くない。

元ネタがわからない人向けに「検索」のテロップを用意するという

フォローもあり。優しい。


ただ穏やかなだけだと眠くなってしまいますが、

世間話レベルの共感からくる楽しさを

とても上手に挟んでいらして穏やかに楽しくなります。


身近だけれど新しい切り口

サンライズ乗車といった王道もやりつつ、

灯台下暗し、架空通勤日記と称した

首都圏で通勤用として運行されていると思われる 一日一往復列車の乗車録シリーズという

オリジナルのシリーズを手がけられています。


「わずか一日一往復」や「通勤ラッシュがすごい」系の動画自体は

レポート形式でいろんな方の動画を目にします。

が、合わせ技にして、しかも実際に通勤するという体は新しい。


あくまで「通勤」というスタイルのもとに語られることで

電車自体のレアさだけじゃない、

沿線に住む人たちの視界が混ざるような構成。


実際に通勤している人たちの「そう、遠いんだよね……」という気持ちに寄り添う

名シリーズではないでしょうか。

新作が出たばかりですが、次回作も楽しみにしています!


抑えるところを抑えたすっきりデザイン

ここが特に古参の交通系の方々と一線を画しているのではないか

と特に思うポイントです。


例えば最初に投稿されたこちらのサムネイル。

www.youtube.com

交通系の動画は上下または左右の端に

柱状に同サイズのフォント(赤文字・周囲白抜き率高し)で

煽り文句を入れることが多いのですが、こちら白一色のみ。


文字サイズでウェイトをつけて配置しつつ、

同色で寝台車マークを列車に重ならないように入れるという

小技を効かせています。美意識を感じる……ッ!


あるいは最新動画、架空通勤シリーズのこちら。

www.youtube.com

文字サイズ、色変え、斜め配置と色々効かせつつも

ごちゃごちゃしていない、すっきりとした印象。


動画内で使われているテロップや最後のご予算まとめなども

フォントがおしゃれ。

アイコンの松マークもパキッとしており……。


このスタイリッシュさ、

市井では一つ出れば広がっていきますがYouTubeだとどうなんでしょう。

新しい潮流になっていくのかな? と気になっています。


「観心地のよさ」を感じられるチャンネル

ここまで上から目線で失礼しました。

「なぜ」「どこが」好きか考えていたらこんなことに……。


ともあれ、とにかく全体として「観心地がいい」。


上に挙げたような語りやネタそのもの、デザインなんかも

もちろんそうなのですが、他にも小さな「心地よさ」が詰まっています。


YouTuberさんの決まり文句、

「チャンネル登録・高評価よろしくお願いします」

がない、とか。


神社への参拝時、社殿を真正面から映さない、とか。

(寺社には文化財としての面もありますが、信仰の場として畏敬を持って訪ねることも大切……)


企画の方向や更新ペースも

エクストリームな方向に頑張りすぎていないためか、

いつでも見られる穏やかさが備わっています。


無理していないから無理せずいつでも見られる、

ごく稀にバカをやる友人(おしゃれカースト上位)と話しているような、

そんな感覚でいつも拝見しています。


リンクを貼った動画以外にも、

中央リニアルートを辿る旅をされていたり

珍しいルートを通る特急の乗車録もアップロードされているので、

ちょっとほんわか電車の旅でも、という方は

是非チェックしてみてください。


新作の「架空通勤日記」があまりに好みの動画だったので

思わず記事にしてしまった北国でした。それでは。